膝関節靭帯損傷は、スポーツをしている方であれば誰でも起こり得ることです。もちろんスポーツをしていなくても交通事故で生じることもありますから、日頃から気をつけましょう。そして万が一膝を痛めてしまった場合はすぐに受診することをおすすめします。ここではそんな膝関節靭帯損傷について、原因・予防・治療法を解説しています。
膝関節靭帯損傷とは?原因や症状を解説
膝には4つの靭帯があり、負荷がかかることでそれらの靭帯が損傷してしまうことがあります。それを膝関節靭帯損傷と言いますが、一体なにが原因で損傷してしまうのでしょうか?
膝の靭帯は4つ
膝には「内側側副靭帯」「外側側副靭帯」「前十字靭帯」「後十字靭帯」の4つに分けられます。それぞれ横方向・前後方向に連動して動き、それらに無理な負荷がかかることで損傷してしまいます。
大きな負荷がかかったとき
先ほども述べたように、膝関節靭帯損傷は膝に大きな負荷がかかったときに起こると言われています。大きな負荷とは、たとえばスポーツ外傷や交通事故などが挙げられます。複数の靭帯が損傷するため、そのままにしておくと軟骨損傷や慢性的な痛みを引き起こしてしまう恐れがあるでしょう。
どんな症状が起こる?
膝関節靭帯損傷の主な症状は、やはり“膝の痛み”です。可動域が狭くなるのでスムーズに動かすことができず、強い痛みや腫れが起こります。数週間である程度症状は治まりますが、損傷部位によっては歩行障害を引き起こす恐れもあり非常に危険です。先ほども述べたように、慢性的になると半月損傷や軟骨損傷を生じることもあるでしょう。
膝関節靭帯損傷の予防と治療法について
スポーツ選手は予防をしていても膝関節靭帯を痛めてしまうことがありますが、再発を防ぐことは可能です。ここでは予防と治療について解説します。
再発予防トレーニングをする
一度膝関節靭帯損傷を起こしてしまうと、元の状態に戻すことはほぼ不可能と言われています。そのため今までどおりの動きをすることは難しいでしょう。大切なのは再発を防ぐことなので、オリジナルのトレーニングではなくきちんと専門家の指示に従って再発予防トレーニングを行ってください。そうすることで再発を防げるでしょう。
主な治療法
「保存療法」と「手術療法」の2つの治療法があります。
・保存療法
専用の装具を装着して訓練します。専用の装具とは膝動揺性抑制装具といって痛みのない範囲で可動域を広げていきます。受傷初期はギプス固定を行うこともありますが、基本的にサポーターを装着して治療します。ちなみに、どの部位が損傷したかで治療法は異なります。保存療法は内側側副靭帯損傷の場合に適用されることが多いでしょう。
・手術療法
前十字靭帯の場合に手術療法が用いられます。「靭帯修復術」と「再建術」のどちらかで治療が行われ、術後は3~6カ月程度のリハビリが必要になります。後十字靭帯に関しては状態に応じて治療法が適用されますが、基本的にスポーツ活動に支障が出にくいため保存療法が用いられることが多いでしょう。
膝関節靭帯損傷は早めの治療が賢明
膝の痛みは自分で判断するのではなく、怪我をした時点ですぐに医師に診てもらいましょう。膝関節靭帯損傷は早めに治療することで慢性的な痛みや腫れを防ぐことができるので、たとえ初期症状が少なくてもきちんと受診することをおすすめします。